ママ小児科医、試行錯誤中!

杜の都の新米ママ兼新米小児科医の、試行錯誤日記です

リットマン聴診器のチューブを交換しました

ある日の当直中……

退院間近の肺炎ボーイの部屋に行き、胸部聴診……

酸素も切れて肺音もよくなったはずなのでもしもし……

???肺音が遠くて全然聞こえません。

よく見ると聴診器のチューブが半周くらい割れていて、そのせいで音が聞こえなくなっていた。丁度首にかけるRに沿った部分で、前々からひびが入っているのには気付いていたが、まさか聞こえなくなるほどとは思わず……

矢印部が割れています 大体半周くらい割れていました

学生実習(OSCE前の4年生)からずっと使用してきたのでそろそろゴムの寿命と言えばそれはそう。とはいえ、なぜ、今! というのも、来年から異動して使用頻度が下がるのが決まっているのに、あと8か月を残して、ここで使えなくなったのである。

指で穴を塞いだら当座は使えたが、流石にそれはダサすぎるしみみっちい。交換を決意するも、実は自分のこども用に小児用を一本買ったばかりで、まるっと交換するのはお財布に痛すぎる。自宅用に買い足したのも、職場と家で持ち運びするのが面倒なのと、基礎疾患のある我が子に、かぜ入院が多い職場と分けて使いたいという理由なので、コンタミさせたくない*1。おまけに楽天で確認したら、小児用すら値上げされて更に高くなっている(こないだ購入したときは1万円くらいだった)。

 

というか、チェストピースに名前とか刻印する人多いけど、それも総取っ替えしないといけないの? 本体代金にプラスして千円くらい取られるけども?

 

こんなんヤダヤダヤダとジタバタしていたところ、リットマン/3Mから、実は交換部品を売っているらしいというのを確認する(リットマン/3M-PDF)。見ると「バイノーラル」という名前で、イヤピースからチューブまでを売っているらしい! しかも本体なら¥15,000くらいするのに、チューブだけなら8千円弱で購入できる!

「えっ自分で直せるかもしれない?」そう思った瞬間、手仕事大好き、親のせいで自分で修理できそうなものなら*2材料だけでちょちょいと直してしまう自分の血がざわざわ騒ぎ出す。7年前に購入した成人用なので、一部の色は終売になっているが、あと半年強使えれば何でもいいので、チューブだけ交換してみることにした。

suzuri.jp

  • さあ直してみるぞ
    • 購入したもの
    • 仮補修
      • 補修テープのレビュー:
    • いよいよやり方
      • カッターでチューブを切開
  • おしまい

 

さあ直してみるぞ

というわけで1度やれればまた交換できるし! あとこうやってネットの片隅にたゆたわせておけるし!!! という気持ちで交換にトライ。後から病棟でぼやいていたら、上級医から「首の汗や皮脂と反応して5年くらいで割れるよ、自分も何回か交換してるよ」と言われたので、丁度寿命だしこの先も繰り返すことだろうと思う。

 

結論:めっちゃ簡単 みんなやりましょう

購入したもの

交換元:リットマン クラシックⅡS.E. ステソスコープ(ベル・膜切り替え可能、小児用膜型付属なし、シングルチューブ)*3。現在終売。(リンクは後継品)

 

購入:バイノーラル(交換部品) 全長71cm用シングル・チューブ (カリビアンブルー) 86367 1個/箱(Pro Lab. & Healthcare Shop - 楽天市場)→怪しげだなと思いつつ購入したが普通にアズワンから届いた*4購入時¥7,106。

3Mの交換部品カタログを参照:クラシックⅡS.E. ステソスコープに使用できるのは、品番85271(ブラック)、85321(レッド)、85367(カリビアンブルー)、86359(ラズベリー)、15879(真鍮色カリビアンブルー)。いずれもシングルチューブ*5。元々はラズベリーを使用していたが在庫なく85367(カリビアンブルー)を使用。3Mの定価¥7,460

 

仮補修

丁度お盆時期で配送まで少し時間がありそうだったのと、流石に聴診器がないと日常診療が立ちゆかないので、ホームセンターでテープを買ってきて補修してみた。水道管テープの方がよさそうだったけど、元々ラズベリーだったのと、他にも割れている箇所があり、そこまでカバーすることを考えると全部黒はちょっと悩むところ。隣にあったスコッチのビニール用補修テープも買って併用することにしてみた。

テープで自己補修 結論から言うと水道管テープだけでよかった

こんな感じで割れが1番ひどいところにはがっつり水道管テープ。間も(首掛けの向きに沿って)割れていた箇所があり、ビニール用補修テープ(透明)で巻き巻きしつつ。ビニール用補修テープのはじが浮いてきたので水道管テープでやや補強。

 

補修テープのレビュー:

◎水道管テープ:粘着力、保持力、そしてチューブの折れ曲がりの維持という上でも◎。やわらかいゴム素材なので首掛けしたときも突っ張らなかった。自己融着テープなので巻くのもチューブの向き・癖に合わせてしなやか。

 

△ビニール用補修テープ:巻くのもテープ自体が突っ張ってしまい大変、首にかけようとすると巻いた部分が突っ張る、曲がるとテープの浮きが出てくる。

 

黒くなるのが……と言わず水道管テープだけでよかったと思うなど。

いよいよやり方

購入から2-3日でアズワンの倉庫からチューブ(バイノーラルというらしいです)が届いた。いやアズワンかい! と思いつつ開封。特段交換の仕方などは書いていない。ネットで調べたら「①頑張って引き抜く(ペンチなどを使う)」「②ドライヤーで根元を温める」と書いてあったのでまずワントライ。……抜けません!!!

チェストピースの銀色シャフトを掴んで抜こうとしたけど

*1:職場では実習のときからの成人用を使っているが、これは研修医1年生のときに小児科のオーベンに相談して、肺音を聞くならベル面積が大きい方が利点があるのかも、と言われ、そのまま使っている

*2:例えば自宅の電気スイッチとか、天井のシーリングライトとか、取り敢えず工具と交換部品があればちょいと替えられるようなものなら何でも、

*3:循環器ガチでやらないからダブルチューブでなくていいやと思ってスタンダードなのを購入

*4:医療機器が欲しいなと思ったら:正規品はアンファミエなど、細々した部品はモノタロウかアズワン、歯科材料店で買うとよい。

*5:安価だが左右独立していないので音質はややダブルチューブに劣る

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お勉強リンク - 小児感染症

お勉強リンクシリーズは書きながら適宜更新します。

 

日本語の教科書

医学書院のそこそこ分厚いアレ。青木眞先生編纂の感染症診療マニュアルから小児版を目指して作られたものです。新潟大教授が主幹で編纂。索引のつくりが微妙で、新生児感染症とか、乳児の百日咳とか、よくあるトピックにそのまま飛べないのだけが難点です。日本語でまとまってて分かりやすいのは事実。

 

大人版はこれ。抜けないCVCの感染症とかこれ読むと比較的まとまっていますね。勿論一般感染症も。抗菌薬の量などはこちらの方が細かく書いてあります。

 

手持ちで持ち歩くという点ではプラチナが最強ですね。岡先生がひとりでまとめられているのでそこは凄い。岡先生も持病がちになり更新の頻度は少し下がりましたが。かつて大人の感染症科にいた時(研修医ローテ時代)は初学ならこれで充分とは言われました。

感染症プラチナマニュアル Ver.9 2025-2026

感染症プラチナマニュアル Ver.9 2025-2026

  • 作者:岡 秀昭
  • メディカル・サイエンス・インターナショナル
Amazon

 

小児科領域で小さくて持ち歩きやすいと言えばトリセツなのですが、第3版(実質)になるに当たり、2冊に分冊化されました。ひとつひとつの疾患の記載がちょっと細かくなりました。日本語で抗菌薬量を探すならこれは1番分かりやすいです(よくあるのですが添付文書量は海外に比すると大分少ないので)。特にCMZ/セフメタゾールとかCTX/セフォタキシムなど日本でしか使われていない薬のところが!!!

 

なお、最近この本が出ていることに気付いて購入し、ちまちま読み進めています。都立小児感染症科のメンバー+OBOGで編纂。あー研修施設の方針と同じこと書いているなあと思ったら自分のオーベンがそこ書いてましたそら言うこと同じだい。意外とNICU/新生児領域の感染症診療は成書がないのでありがたい1冊です。(Nのマニュアルには色々書いていますがそこまでエビデンスがない内容も紛れていたりします)。

 

英語の教科書

施設によってUpToDate®を契約していればこれ(=LexiCompの量)で調べるのが初学としては1番とかつての研修施設で教わりました。作りとして色んな論文を引いてきてきちんとエビデンスベースでまとまっているので、参考にする上では楽ですね。文献に当たりたければ孫引きすればよいし。あまり診ない疾患(周期的に流行るマイコとか、2025年ど流行りした百日咳)の治療法も、引けばそれなり載っているので、困った時には助けてもらえます。

www.uptodate.com

本で簡単に引くならネルソン(という名のアメリカ小児科学会編纂)の2冊がサイズ的にはよいです。ただサンフォード的でわりかしさくっとした表にまとまっているので、成書として読むというより抗菌薬チョイスをぱっと見るという感じになりがち。

Nelson's Neonatal Antimicrobial Therapy

 

大人のサンフォードも参考になります。毎年日本語で改訂版が出るのも点数高い。毎年買い換えるのは面倒だけど(M2plusだと電子版の上に毎年追加料金でアップグレードしてゆけます)。

 

ほんとに専門科としてガツガツやるならこの辺の本をざーっと全部読んで方針立ててこいと聞きました。めっちゃ高額なので施設の本を借りるか、ClinicalKey®が契約されていればその範囲で読めることがあるのでそうするか。やっぱりレッドブックは王道ですね。ネルソンはそれを更にコンパクトにした本という印象ですね。この辺は洋書なのでAmazonのリンクしか貼りません。あと何冊かあったけど思い出したら追記します。

 

レミントンは新生児に特化しているので先天感染の時とかに参考に。

 

トラベルメディスン(渡航者医学)はこの辺と自分でメモしてました。成書はキーストン(トロント小児)。日本語なら厚労省のFORTH(トラベルワクチンの記載あり)。英語ならCDCのYellow bookかイギリスのGreen Book。らしい。田舎に来てそんなのないでしょと思ったけど何だかんだ海外居住者とか、外国人のお子さんとか、渡航者疾患みたいなのはちらほら来るので、後ろ3つはネットだし探しやすいしで使い勝手よい印象です。

www.forth.go.jp

www.cdc.gov

www.gov.uk

抗菌薬の投与量とか副作用を見るならキューサーを引けと言われました。厚いし重いから持ち出すの大変だけど。

もう1個キンバリーとメモがあるのですがネットで探すといくつか本があって尚且つ詳細を忘れてしまったのでメモ書きだけ残しておきます。どっちの本だったかな……多分移植じゃないな……

 

どんな医学雑誌を引けばよいかは新潟大の教授が過去の教育講演でまとめられていました。

第54回 日本小児感染症学会「小児感染症領域でAcceptされる英語論文を書くためのコツ」齋藤昭彦→https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03504/035040392.pdf

 

感染症科は専門ローテしたのに暫く離れたら色々忘れたのと、当時書き殴ったノートを全くまとめられていないので、整理しながら思い出したら適宜追記します。

 

メーリス

感染症エクスプレス@厚労省

厚労省から定期的に国内感染症の動向が送られてくるMLです。データが保健所ベースなので届出疾患の動向は1番詳しいです。

kansenshomerumaga.mhlw.go.jp

日本小児科学会ML

日本小児科学会MLも感染症の動向が書かれています。学会員に月1ベースくらいで送付されており、そのうちの一部が感染症動向です。

 

IDATEN

成人も小児も日本人で感染症診療に関わっている人、勉強したい人が集まるメーリスです。

www.theidaten.jp

 

ネットにあるもの

予防接種業務に関しては別項に立てたいと思います。長くなりましたので。

 

おしまい

更新履歴

  • ver1 250810

患者さん向けの、正しい情報の取り方

ある日自分のこどもが突然まれな疾患になる、なんてことがあるかもしれません。

そもそも予防接種や健診などで分からないことが出てくるかもしれません。

 

医師たちは専門の教科書を引いたり、専門のウェブサイトを見たり、論文を引いたりと沢山調べる方法がありますが、一般の人にはどれもハードルが物凄く高いと思います。そんな時に役立つサイトをまとめました。たまにちょこちょこ更新します。

 

  • 稀少疾患編
    • 小児慢性特定疾病情報センター
    • 難病情報センター
  • 事故防止編
    • 小児科学会:Injury alert
  • 救急対応
  • 健診の困りごと
  • ワクチン関係
    • 日本小児科学会のウェブサイト
    • Know VPD!
    • 製薬会社作成のワクチンサイト
    • 日本ワクチン産業協会
    • 感染症情報提供サイト
  • 最後に

 

稀少疾患編

小児慢性特定疾病情報センター

いわゆる「小慢」のウェブサイトです。専門医監修の元、対象疾患の概要がそれぞれのサイトで分かりやすくまとまっています。

www.shouman.jp

小慢はこどもにおける「難病指定」とほぼ同じです。対象疾患で、自治体の審査を通すと、

  1. 医療費の月毎の自己負担上限額が決まります(収入によって規定あり、乳児医療無料化があればそちらが優先)
  2. (疾病に関連した)入院時の食費が半額になります
  3. 自治体によっては、通院のための交通費助成があります(例:宮城県仙台市

18歳未満が対象ですが、元々小慢の受給者証があった場合は20歳まで使用できることがあります(20歳以降は、多くの疾患が成人の難病指定へ移行します)。

 

小慢による助成の詳しい仕組みはこちらのサイトも確認してください。毎年7月に更新が必要です(なので小児科医的には6月は小慢の季節……という印象です)*1

kodomo.kouhi.jp

難病情報センター

小児慢性にはならないけれど指定難病のもの、成人期に指定難病へ医療費支援が移行するもの、などは難病情報センターにも情報が載っています。

www.nanbyou.or.jp

事故防止編

小児科学会:Injury alert

これはもうほんと全ての保護者に読んでもらいたいなと思います。こどもの事故例の症例報告集です。こどもは思ってもない事故に遭うもんだなあと思いながら毎回読みます。日本小児科学会誌には毎月1例ずつ連載されています。

www.jpeds.or.jp

*1:7月に役所へ必要書類を出すので、その前の月に書類依頼が大量に来ます

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お勉強リンク - 先天代謝異常

自分の備忘録+こつこつ集めたものの放出ということで、各分野別に記事を作って随時更新していこうと思いました。思いついたときに少しずつ更新していきます。

 

メインの学会

お役立ちイベント

日本先天代謝異常学会セミナー:毎年7月の3連休に2日間の日程で開催。3年ひとセットになっていて、入門編→実践編→発展編という感じでステップアップしていく作り。今年品川行ってきたけど楽しかったです✌️2026年からの3年は大阪開催予定。現地参加¥15,000*1、オンデマンドは現地開催から1か月後〜2か月くらい配信。

jsimd-seminar.umin.jp

役に立つ教科書

チョッケ・ホフマン:ポケットサイズの割に、あらゆる疾患を網羅しているのですごいです。ただ、判明してきた分子機構を網羅したがために、文字が小さくてせせこましくなっていますが。

 

先天代謝異常学会承認ガイドライン:学会が太っ腹すぎて結構な量を無料で公開してくれています。ありがたやー。たまにパブコメ出ているのでそこのPDFを落としておいてもまあ勉強にはなる。

jsimd.net

マススクGL:初療だけならこれが1番分かりやすいです。これはさっきの学会のウェブサイトで無料公開されています。

 

特殊ミルク治療ガイドブック:レジデントで細かい疾患の特殊ミルク事情が分からなくなったらこれを引けばOK. というか、特殊ミルクは各乳業のたゆまぬ努力で提供されているので本当にありがたい限りだと思います。

 

お役立ちウェブサイト

ミトコンドリア病ハンドブック:国立精神・神経医療研究センター病院遺伝カウンセリング室作成。患者向け資料として分かりやすいです。

https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/mt_handbook.pdf

 

ver.1 250805

*1:現地、先輩から聞いてましたが、びっくりするくらい食事・水分の準備必要ありませんでした(笑)。オンデマンドでだらだら観るのと違って2日間でみっちりやって勉強になりました!

若造小児科医がファミマでみんなのレモネードを買いました

タイトルのまんまです。

ファミリーマートで「みんなのレモネード」を買いました。もう1か月以上前から売っていて2回目です。1回目は単に書き忘れました(鍵付きのSNSではあげていた)。

220 mL ¥228で売っていました

ファミマが夏に小児がん闘病支援でレモネードを売るのは実はもう3年目だそうです。ボトルの絵もがんサバイバー・きょうだい児たちなど関係者から集めたものを選抜して決定しています。

www.family.co.jp

www.family.co.jp

元々夏のレモネード×小児がん支援というのはアメリカで始まった運動で(ファミマの特集記事にもありますが日本語で絵本にもなっています)、自分も小児がんと闘う女の子が、レモネードの売り上げで病気の子を助けたいと、自宅の庭先で売り始めたのがきっかけでした*1。日本でも近年患者団体が多数取り組んでいます(宮城県でも同様の患者団体があったかと思います)。がん治療全体ですが"delete C"キャンペーンに協賛したCCレモンの取り組みも同様ですね。

www.alexslemonade.org - 元々のお姉様はアレックスちゃんと言ったそうです

みんなのレモネードが売り出された時threadsだったかtwitterだったかで「協力したいけど酸っぱいものが嫌いなので何でレモネードなんですか?」というクソリプが付いてて笑ったのを思い出しました。そういうものなんだよ。酸っぱいものが嫌いなら、ドナルド・マクドナルド・ハウスとか、キープ・スマイリング!とかに募金してね。

www.dmhcj.or.jp

momsmile.jp→子どもの緊急入院の時にたまたま知ったのですが、素敵な取り組みです! エーザイも支援しています。ふるさと納税で寄付できるので是非!

 

ファミマの特設サイトによると8月いっぱい販売予定のようなので、見かけて酸っぱいものが嫌いでなければ是非買ってみてください。なお、売り上げの一部が小児がん支援に寄付されます。わたしは大学病院で診ていた小児がんの子たちを思い浮かべながら今日もまた飲みます(美味しかったので3回目も考えています)。

*1:化学療法で食欲が落ちると酸味のあるさっぱりしたもの、冷たいものの方が通りがよいようなので、レモネードもそういう意図なのかもと思っています

生と死の狭間に〜Nスペ成育PICU密着記

7月13日に放送されたNスペ「命を診る 心を診る~小児集中治療室の日々~」を観た。日本の小児医療の頂点である国立成育医療研究センター病院(以下"成育")のPICU/小児集中治療室に半年間密着して撮影されたドキュメンタリーだ。本当は6月半ばに放送されるはずだったので*1、1か月くらい楽しみに待っていた。

NHKプラス(配信期限2025/7/20)☞https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2025071322403

www.nhk-ondemand.jp

www.ncchd.go.jp

  • はじめに
  • 日本の医療の粋を尽くしても救えない命はある
    • 見えない苦痛を、とる
    • VADをつける、誰かの死を待つ
    • こぼれ落ちるいのち
  • さいごに

 

はじめに

成育は言わずと知れた日本の小児医療の頂点であり、そのPICUは都内屈指の治療力である。VTRにもあったが、医療用ジェットやドクターカーを使って、都外からも患者が搬送されてくる。今回はそんな病院のPICUに、凄腕ディレクターがカメラひとつで単身乗り込み、半年間密着して作り上げた。1時間ない放送時間のために、600時間もカメラを回したらしい(以下ゲンダイ)。

gendai.media

gendai.media

日本の医療の粋を尽くしても救えない命はある

場所柄いる子たちは超重症例で、取り上げられた子も当然ながらその一員である:

  • 9歳、肝移植後、(恐らくは肝疾患に伴うと思われる低栄養・るい痩と、苦痛感〜せん妄による事故抜管リスク)→無事退院
  • 2歳、重度心筋症、PICUでの(near)CPA→VAD装着
  • 0歳、肝疾患による肝腎症候群、CHDF、途中から挿管、小腸壊死→切除、移植待機も亡くなる

少子化傾向ではあるけれど、重症な背景疾患を持って生まれたり、脳症やDKAなどで集中治療をようする子は一定数確実にいて、そういう子たちが成育をはじめとしたPICUに運ばれてくる。最後、肝疾患の子が亡くなるけれど、日本の医療の粋を尽くしても、救えない命はある、というのをしみじみ感じさせられた。

*1:長嶋茂雄監督の訃報があって特別番組を放送したので後ろ倒しになった

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当直中の泣き言

小児科医である。他人のおうちの子どもたちを診て、お金を稼いでいる。

子どもたちは可愛い。可愛いからこそこの道を選んだ。

 

でも1番可愛いのはやっぱり自分の家の子どもである。自分の子なので適当に放っておくこともあるけど。

  • 子を預けて何をしているのだろう?
  • 友人の育児相談に乗るけど
  • 誰かの犠牲で成り立っているのが医療
  • おしまい

 

子を預けて何をしているのだろう?

診察室や病室で、この子が心配なんですと親御さんに色々質問される。仕事として答える。具合が悪いからではあるが、その子の前には親御さんがいる。

うちの子は自分が仕事の間保育園に預かられている。勿論保育園で色んなことを覚えてくるし、自宅保育と比べてメリットもデメリットもあるけど、日中7-8時間は親と離れている。

家に帰れば親はへとへとで、ご飯を作ってお風呂に入れて、一緒に遊ぶのもそこそこに寝てしまう、の繰り返しである。自宅で喋り相手もなしに、やんちゃな宇宙人の相手をしているのは性に合わないので、仕事をしているのはある意味自分のためなのだが、ふとした時に「他人のおうちの子どもたちをせっせと診ているのに、自分は我が子を保育園に預けて、何をしているのだろう?」と虚無感に苛まれる。

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